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お子さんのアレルギー性鼻炎の特徴

近年、アレルギー症状の低年齢化が顕著で、3歳程度で花粉症を起こすお子さんも珍しくありません。特に幼稚園入園年齢である4~5歳には明確な症状が現れていることも多く、さらなる重症化や他のアレルギー疾患の発症リスク増大などの危険も伴います。
小児では免疫系が発達途中にあるため、年齢とともに症状が変化することがあります。また、乳幼児期のアトピー性皮膚炎や食物アレルギーから始まり、その後アレルギー性鼻炎や気管支喘息へと進展する場合があります(アレルギー・マーチ)。
専門的な小児アレルギー診療で健やかな成長を
小児のアレルギー性鼻炎は、成長とともに症状や治療方法が変化する複雑さが問題となります。文京区本駒込の本駒込耳鼻咽喉科では、小児の特性を理解した専門的な検査・治療によりお子さんの健やかな成長をサポートいたします。症状にお気づきの際は、お早めにご相談ください。
アレルギー性鼻炎によるお子さんへの影響
成長・発育への影響
鼻づまりによる睡眠の質低下は成長ホルモンの分泌を減少させ、身長や体重の増加に影響します。また、慢性的な口呼吸により顎・顔面の発育異常や歯並びの悪化が生じます。嗅覚低下による食欲減退、呼吸困難による運動能力の発達遅れなども懸念されます。
学習面への影響
アレルギー性鼻炎による鼻づまりは脳への酸素供給を減少させ、集中力や記憶力の低下を引き起こします。授業中にぼーっとしている、忘れ物が多い、宿題に集中できないなどの症状が特徴です。
また、症状による睡眠不足は日中の眠気や疲労感の原因となり、学校生活全体に悪影響を及ぼします。
年齢別の症状と特徴
お子さんのアレルギー性鼻炎の診断・治療には特有の困難があります。マスクの適切な着用が難しい年齢では花粉対策が十分に行えず、外遊びの制限も現実的ではありません。また、お子さんが自分の症状を正確に表現することが困難なため、保護者の観察と専門医による客観的な評価が不可欠です。
特に鼻づまりが原因で起こる口呼吸は保護者の方が気づかないケースも多く、いつの間にか常態化していることも少なくありません。口呼吸は将来的な顎の発育や歯並びにも影響するため、早期の発見と対策が重要です。
乳幼児期(0~3歳)
乳幼児は症状を正確に訴えることができないため、明確な判断が難しい場合もあります。お子さんの様子を注意深く観察し、機嫌が悪い、よく鼻をこする、哺乳不良などの症状が目立つようであれば、一度当院へご相談ください。
この時期はダニやハウスダストによる通年性アレルギー性鼻炎が多く、住環境の改善が治療の中心となります。薬物療法は限定的で、安全性の確立された薬剤のみを慎重に使用します。
幼児期(3~6歳)
言葉で症状を表現できるようになりますが、まだ的確に伝えることは困難です。この時期から花粉症を発症することもあり、季節性の症状パターンが明確になってきます。
集団生活が始まるため、症状による日常生活への影響を慎重に評価し、適切な治療を行うことが重要です。
学童期(6~12歳)
症状を具体的に訴えることができるようになり、診断がより正確になります。この時期は学習への集中力低下が大きな問題となり、成績への影響も懸念されます。複数のアレルゲンに反応するようになることが多く、検査による原因の特定が重要です。
舌下免疫療法の適応年齢(5歳以上)に該当するため、根本治療の検討も可能になります。
お子さんの治療における注意点
薬物使用時の注意点
小さなお子さんの場合は、薬に対する体の反応が大人とは異なるため、年齢と体重に応じた用量調整が必要です。また、成長への影響を最小限に抑える薬剤を選択することも大切です。
特に内服薬では眠気の副作用が学習に影響するため、症状を考慮しつつ可能な限り影響の少ない薬剤を選ぶようにします。
治療継続のポイント
小さなお子さんでは服薬を嫌がる子も多いので、保護者の理解と協力が不可欠です。症状の改善が見られても自己判断で中止せず、医師と相談しながら治療を継続してください。
点鼻薬を使用する際は保護者が正しい方法を覚え、お子さんにしっかりと指導することが治療効果を高めるポイントです。
