舌下免疫療法

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舌下免疫療法とは?

舌下免疫療法とは?

舌下免疫療法は、アレルギーの原因となるアレルゲンを少量ずつ継続的に体内に取り込むことで、アレルギー反応を起こしにくい体質に変える根本治療方法です。従来の薬物療法が症状を抑制する対症療法であるのに対して、舌下免疫療法はアレルギーそのものを根本から改善できます。

現在、日本ではスギ花粉症とダニアレルギーに対する舌下免疫療法薬が承認されており、適切な治療を行えば多くの方で症状の改善が報告されています。文京区本駒込の本駒込耳鼻咽喉科では、適切な適応判断と丁寧な経過観察により、安全で効果的な舌下免疫療法をご提供しています。治療に興味のある方はお気軽にご相談ください。

具体的な治療方法

治療薬を舌の下に置き、1~2分間保持した後に飲み込みます。これを自宅で毎日継続していただきます。注射による皮下免疫療法と比較して副作用のリスクが低く、通院頻度も少ないため、患者さんの負担を大幅に軽減できます。

対象となる疾患と治療薬

スギ花粉症

血液検査でスギ花粉が陽性であり、典型的なスギ花粉症症状(2月~4月の花粉飛散期における鼻症状)を有する患者さんが対象となります。症状の重症度に関わらず治療適応があります。

治療薬:シダキュア

スギ花粉エキスを主成分とする錠剤で、舌下に1分間程度保持した後に飲み込みます。開始用量と維持用量があり、段階的に増量して治療を行います。

ダニアレルギー

ヤケヒョウヒダニまたはコナヒョウヒダニへのアレルギー検査が陽性で、鼻炎症状を有する患者さんが対象です。喘息の合併がある場合も適応となります。

治療薬:ミティキュア

ダニエキスを主成分とする錠剤で、シダキュアと同様の方法で投与します。ダニは一年中存在するため、季節に関係なく治療を開始できます。

治療薬:アシテア

ミティキュアよりも高い濃度(約6倍)のダニエキスを含む錠剤です。より高い治療効果が期待でき、副作用のリスクも抑えられています。重度のダニアレルギーの場合や、ミティキュアによる治療効果が限定的な場合にご提案いたします。

期待できる効果

症状の軽減・根治

くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの鼻症状や、充血、涙などの目の症状が軽減します。治療を適切に継続できれば症状が根治・寛解できることもあります。

QOL(生活の質)の向上

症状改善により日常生活での制限が減少し、仕事や学習の効率向上が期待できます。

薬剤使用量の減少

症状の改善により、治療薬の減薬ができることもあります。

※上記はすべての方に当てはまるわけではありません

治療の流れとスケジュール

Step01

治療開始前の評価

アレルギー検査

血液検査により対象アレルゲンの確定診断を行い、治療適応を判定します。他のアレルゲンへの感作状況も評価し、治療効果を予測します。

説明と同意

治療の効果、副作用、治療期間などについて詳しく説明し、患者さんやご家族の十分な理解を得た上で治療を開始します。

Step02

治療開始

初回投与

初回投与はクリニックで行い、30分間の経過観察により副作用の有無を確認します。重篤な副作用はまれですが、万全の体制で安全性を確保します。

用量調整

開始用量から維持用量まで段階的に増量します。初回投与の1週間後に再度ご来院していただき、状況の確認と投与量の調整を行います。

Step03

定期的なフォローアップ

舌下免疫療法は3年以上の継続治療が必要です。その間は定期的に通院(※)していただき、効果と安全性を評価します。

(※)投与後の1年間は月1回、それ以降は2か月に1回が目安となります

副作用・禁忌

主な副作用

服用初期や服用後30分間は以下のような副作用が現れることがあります。症状が現れた際は、すぐに当院へご相談ください。

  • 口の中のかゆみ、腫れ
  • 腹痛
  • 下痢
  • 吐き気
  • 湿疹
  • じんましん
  • アナフィラキシー※(重症例の場合) など

(※)アレルゲンに接触後、短期間で呼吸困難、血圧低下、意識障害などの全身症状が起こること。アレルギー反応でも特に重篤な状態で、生命に関わる危険がある

禁忌

以下に当てはまる方には治療を行えません。

  • 重度の気管支ぜんそくのある方
  • 悪性腫瘍の治療中の方
  • 5歳未満の方

慎重な適応判断が必要

以下の方への舌下免疫療法は慎重な判断が必要です。事前に必ず医師へお伝えください。

  • 治療薬に対してアレルギー症状を起こしたことがある方
  • 妊娠・授乳中の方
  • 高齢の方
  • 口腔内の手術直後、あるいは口内に傷や炎症がある方
  • 重度の心疾患、高血圧症がある方
  • 他に服用中のお薬がある方 など