アレルギー性鼻炎の治療

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アレルギー性鼻炎治療の基本的な考え方

アレルギー性鼻炎治療の基本的な考え方

単に症状を抑えるだけがアレルギー性鼻炎の治療ではありません。適切な症状コントロールにより、患者さんのQOL(生活の質)を向上させることが治療の最終目標となります。症状の重症度、患者さんのライフスタイル、年齢、合併症の有無などを総合的に評価し、個々の患者さんに最適化された治療計画を立てることが重要です。

治療は「アレルゲンの除去・回避」「薬物療法」「免疫療法」「手術療法」の4つの柱から構成されており、これらを適切に組み合わせることで効果的な症状管理が可能になります。また、治療は段階的に行い、症状の改善度に応じて治療方法を調整していくのが基本です。

効果的な症状改善のための専門治療

文京区本駒込の本駒込耳鼻咽喉科では、耳鼻咽喉科の専門医としての豊富な経験に基づき、患者さんに最適な治療をご提供いたします。辛い症状は放置せず、早めに当院へご相談ください。

症状タイプ別の治療アプローチ

くしゃみ・鼻水型

くしゃみや鼻水(水のようにサラサラとした鼻水)が主症状の患者さんには、アレルギー反応を抑える内服薬(抗ヒスタミン薬など)を中心とした治療を行います。速効性のある薬剤を選択し、症状出現時の速やかな改善を目指します。予防的な使用で症状の出現を抑制することも可能です。

鼻づまり型

鼻づまりが主症状の場合は点鼻薬が効果的なこともあります。症状が強い場合は、短期間の血管収縮薬の使用も考慮します。

混合型

くしゃみ・鼻水と鼻づまりの両方が問題となる場合は、複数の薬剤を組み合わせた治療が必要です。症状の変化に応じて薬剤の比重を調整し、きめ細かい症状管理を行います。

治療方法の種類と特徴

アレルゲンの除去・回避

アレルゲンへの暴露を減らすことは、すべての治療の基礎となります。薬物療法の効果を高め、症状の悪化を防ぐために不可欠な要素です。

花粉対策

  • 外出時のマスク着用
  • 帰宅時の衣服の花粉除去
  • 洗濯物の室内干し
  • 窓の開閉時間の調整 など

ダニ・ハウスダスト対策

  • 居住空間のこまめな清掃
  • 寝具の定期的な洗濯
  • 室内湿度の管理(50%以下)
  • カーペットからフローリングへの変更
  • 空気清浄機の設置 など

薬物療法

内服薬

体内でのアレルギー反応を抑える薬です。近年では眠気や口渇などの副作用の少ない薬が登場しており、1日1回の服用で済むものも多いです。

点鼻薬

鼻粘膜に直接作用し、炎症を効果的に抑制します。全身への影響が少なく、長期間の安全な使用が可能です。鼻づまりに対して特に高い効果を示します。

注射(ゾレア)

ゾレア(抗IgE抗体オマリズマブ)は、アレルギー反応の引き金となるIgE抗体に結合し、アレルギー反応を阻害する注射薬です。従来の薬物療法で十分な効果が得られない「重症のスギ花粉症」への治療の選択肢となります。

※当院では実施しておりません。必要な場合は提携医療機関をご紹介いたします

舌下免疫療法

アレルゲンを少量ずつ継続的に投与することで、アレルギー反応を起こしにくい体質に変える治療方法です。現在、スギ花粉症とダニアレルギーに対する治療薬が使用可能です。

適応と効果

3年以上の継続治療により、多くの患者さんで症状の改善が期待できます。治療終了後も効果が持続するため、根本的な体質改善が可能です。

手術

薬物療法で十分な効果が得られない重症例や、鼻中隔弯曲症、下鼻甲介肥大などの構造的問題がある場合に検討します。

手術の種類

腫れた鼻粘膜を電気で焼灼して収縮させる電気凝固術、肥大した下鼻甲介を部分的に切除して鼻腔を広げる下鼻甲介切除術などの方法があります。患者さんの症状や鼻腔の状態に応じて適切な方法を選択します。