薬物・注射療法

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アレルギー性鼻炎薬の薬物療法について

アレルギー性鼻炎薬の薬物療法について

アレルギー性鼻炎の薬物療法は、症状の重症度と患者さんのライフスタイルに応じて最適な薬剤を選択することが重要です。単一の薬剤で症状が改善しない場合は、作用機序の異なる薬剤を組み合わせることで、相乗効果を期待できます。

薬物療法の目標は、日常生活に支障をきたさない程度まで症状をコントロールすることです。副作用を最小限に抑えながら、長期間にわたって安全に使用できる治療方法を選択することも重要な要素です。

専門的な薬物療法で効果的な症状管理を

文京区本駒込の本駒込耳鼻咽喉科では、耳鼻咽喉科の専門医としての経験を活かし、安全で効果的な薬物療法をご提供いたします。「アレルギーかも」とお悩みの方はもちろん、現在の治療内容に不安がある方も、お気軽に当院へご相談ください。

内服薬

抗ヒスタミン薬

アレルギー反応を引き起こすヒスタミンと言う物質の活性化を抑制する薬で、くしゃみ、鼻水、かゆみなどの症状を改善します。従来の抗ヒスタミン薬には強い眠気や集中力低下などの副作用がありましたが、近年ではこうした副作用が軽減された「第二世代抗ヒスタミン薬」が開発されており、治療の主流となっています。

主な薬剤

  • デザレックス(デスロラタジン):食事の影響を受けにくく、眠くなりにくい
  • タリオン(ベポタスチン):効果発現が早く、眠気の副作用が比較的少ない
  • ビラノア(ビラスチン):空腹時服用で高い効果を発揮し、眠気がほとんどない
  • アレロック(オロパタジン):高い効果が期待できるが、眠気が出やすい
  • ザイザル(レボセチリジン):効果発現が早く、1回の服用で24時間効果が持続 など

点鼻薬(ステロイド点鼻薬)

鼻粘膜に直接作用し、炎症反応を根本から抑制します。くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどアレルギー性鼻炎の症状全般に効果的で、特に鼻づまりに対して高い改善効果が期待できます。

ステロイド点鼻薬は局所的に作用するため、全身への影響が極めて少なく、安全性が高いのが特徴です。そのため長期間の継続使用が可能で、花粉症シーズンを通じて、あるいは通年性アレルギー性鼻炎の場合は年間を通じて使用することができます。効果が現れるまでに数日から1週間程度かかることがありますが、継続使用により安定した症状コントロールが期待できます。

注射療法(ゾレア)

アレルギー反応の引き金となるIgE抗体に結合し、アレルギー反応を抑える薬を注射で投与します。重症の季節性アレルギー性鼻炎(スギ花粉症)に対する治療方法の一つで、従来の治療で十分な効果が得られない症例が対象となります。

※ゾレア治療をご希望の方は、提携医療機関をご紹介いたします

治療の適応と効果

ゾレアは12歳以上の方で、従来の内服療法で1週間以上治療しても症状が改善しなかった方が対象となります。治療はスギ花粉の飛散時期と重なる2~5月に行い、2週間あるいは4週間間隔で皮下注射を行います。

高い効果が期待できますが、効果が続くのはそのシーズンのみです。効果が切れた後は、別の治療方法もご検討ください。

ゾレアの注意点

効果が続くのはそのシーズンのみです。投与前にはその都度、診察と採血(血液検査)が必要になります。
ゾレア治療は、薬剤の投与量(※)によって自己負担額が異なります。健康保険が適用されますが、患者さんによっては高額になる可能性もあります

(※)投与量と投与間隔は、血液検査の結果と体重に基づいて個別に設定します

患者さんの年齢・状況に応じた薬物療法

妊娠・授乳期

妊娠中・授乳中の患者さんには、胎児や乳児への影響を最小限に抑えた薬剤を選択します。比較的安全に使用できるお薬を使用するほか、鼻洗浄(鼻うがい)や環境対策などの非薬物療法を積極的に活用します。

小児

体への影響を考慮した薬剤と用量の選択が重要です。成長への影響を考慮し、最小限の薬剤で最大の効果を目指します。事前に症状の正確な原因を突き止める必要がありますので、市販薬を使用する前に当院へご相談ください。